BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2008年08月01日(金)掲載

“サッカー人として”
2008年08月01日(金)掲載

アジア交流の第一歩

 年に一度のオールスター戦が、今年から日韓対抗形式のJOMOカップとして2日(2008年8月2日)に開催される。日本リーグ時代から続いてきたオールスター戦も、みんなが見慣れてきたせいか、最近はお客さんの入りが悪くなっていた。新方式はどっちのリーグのレベルが高いかというプライドを懸けたガチンコの戦い。昔からの日韓のライバル意識もあって面白い試合になるだろう。


 もう一つ興味深いのは、この試合が選手のアピールの場になるかもしれないこと。Jリーグでは通常の外国人枠とは別にアジア枠の導入を検討していて、実現すれば韓国から多くの選手が日本に来るはずだ。韓国・Kリーグで得点王になりFC東京へ移籍したカボレ選手のように、韓国経由で日本へ来るブラジル人選手も多い。韓国人もブラジル人もこの試合でいいところを見せて、環境の整った日本でプレーしようと考える選手は少なくないだろう。


 アジア枠の活用が広がればクラブ経営にも良い影響がある。Jリーグで最も経営規模が大きい浦和レッズの収入は約80億円。これを100億円、200億円に伸ばそうと思うと、必ずどこかで限界がくる。その壁を乗り越えるには韓国や中国、東南アジアへ市場を広げていくしかない。欧州のビッグクラブと同じ手法だ。


 イタリアのクラブがヒデ(中田英寿)を獲得したように、アジアの国民的スターを獲得すれば、その国で放映権が高く売れたりユニホームの販売枚数が伸びたりする。もちろん選手の実力がないと始まらないが、ひょっとすると東南アジアの富豪がスポンサーになってポンと10億円くらい出してくれるかも。アジア各国でJリーグが見たいという声が広がればいい。ドメスティックな経営ではクラブの繁栄は続かないから。


 まずは隣の韓国から始めて、アジア各国へ交流が広がってほしい。その先の形はまだ見えないけれど、JOMOカップがその第一歩になるんじゃないかな。


 でも一つだけ残念なのは僕が出場できないこと。Jリーグ選抜なんだから、J1だけでなくJ2から呼んでくれてもいいのに。選手を選んだ鹿島アントラーズのオリヴェイラ監督には、去年の最終節で僕らが浦和に勝ったことで、リーグ優勝にだいぶ貢献したはずなんだけどな。