BOA SORTE KAZU

  • Home
  • Message
  • Profile
  • Status
  • Column
Menu

BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2008年04月25日(金)掲載

“サッカー人として”
2008年04月25日(金)掲載

内容も結果も意識次第

 先週末のFC岐阜戦(2008年4月19日)では後半ロスタイムのアンデルソンの決勝ゴールで逆転勝ちした。相手はアマチュアの日本フットボールリーグ(JFL)から今年J2に上がってきたばかりだけれど、上位争いに加わっている。実際、二度リードされる苦しい試合だった。


 僕らは去年J1で、彼らはJFLにいたチームだから簡単に勝てるなんて思って臨んでいたら、きっと大差で負けていただろう。相手を見下して戦ったら、たとえJFLに入っても勝てない。勝負というものを甘く見てはいけない。


 相手メンバーの多くは以前にJ1クラブに所属していて、若くして解雇された選手たちだ。それまでの自分が怠けていたのか足りない部分があったのか、下に落ちて初めて気付いて、もう一度Jリーグでプレーするために必死にJFLを勝ち抜いた。苦境からはい上がってきた彼らは目の色が違う。


 以前にヴェルディ川崎やヴィッセル神戸で僕と一緒にプレーしたヤマ(山口貴之)も、神戸を退団した後に当時JFLだったザスパ草津に入ってJリーグへ戻ってきた一人だ。草津入団の前には3ヵ月くらい一人で練習を続けていた。ひたすら走ったりボールをけったり、もう嫌になると言っていた。


 移籍先が見つからず、お金なんか関係なしにプレーの場を再び与えてもらう。そんな経験をしている選手は皆ハングリーだ。それが心の支えになっている。一度はJ1クラブにいた選手たちだから、技術や能力はもともと高いものを持っているわけで、意識の違いでプレー内容や結果が大きく変わる。それは今季の岐阜の頑張りが証明している。


 高い意識を持って毎日何をすればいいかと言うと、ひたすら同じことを繰り返すだけだ。週の初めに走り込んで、徐々に調整して試合で爆発させる。勝っても負けてもそこでリセットして、また走り込む。僕はそれを23年間やってきた。


 最近ヤマに会ったら、「力を抜いてウオーミングアップしているカズさんを見たことがない。常に100%でやっていた。僕にはまねできない」と言われた。怠けようと思えばいつでも怠けられる。でも意識を高く持っていればまだまだ走れるし、やれると僕自身も思っているんだ。