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3日(2008年5月3日)のロアッソ熊本戦で今季初めてフル出場できた。結果は5-0の大勝で、僕個人としてはこんなに大差で勝ったのは10年ぶりのことだ。最近は勝つときは接戦が多く、大差で勝てれば楽だろうなと思っていた。でも実際にやってみると全然楽じゃない。次につなげるために無失点で抑えたいから、結果的にハードワークしないといけないんだ。
その3日後のヴァンフォーレ甲府戦には出場しなかったけれど、ゴールデンウイークは日程が立て込む。若いころは連戦中の試合後の夜に多少のムチャをしても平気だったけれど、今はとてもじゃないけれど無理だ。
リーグ戦に加えてアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)も戦っている鹿島アントラーズなどは余計にキツイだろうし、そのせいかリーグでは最近勝っていない。苦戦の理由を連戦の疲労だと言うのは簡単で、実際に疲れているだろう。ただ、一番の問題は頭の中にあるんじゃないだろうか。
選手は「ゾーン」と呼ばれる精神的に最もハイな状態で試合に臨むのがベストなんだけれど、みんなが常にそこに入っていけるわけじゃない。試合途中で入れる場合もあれば、最初は入っていてもだんだん落ちていくときもある。
鹿島も「よし、ACLも勝つぞ」という意気込みが強かったはず。それが連戦が続くと悪い意味で試合慣れして、緊張感はあっても新鮮味が薄れてくる。肉体の疲れとは別な部分で頭が疲れて、動きを鈍らせる。僕ら35歳を過ぎた選手だと肉体の疲労にウソはつけないけど、20代の選手は体よりも頭。頭の中をリフレッシュさせるのが大事だ。
ゴールデンウイークが明けて観客が減ったりすると、ガクッと気持ちが落ちてしまうときもある。そんなときでもベテランは同じように戦える。6万人の大観衆の前でも、誰も見ていない開幕前の練習試合でも変わらず、安定してやれる。それが経験、それがベテランだ。
僕もこれだけ長くプレーしてきたけれど、まだまだやりたい。これまでのプロ生活23年間をもう一度繰り返したいくらいだ。こんなに試合が続いて疲れちゃうよと思うのか、こんなにサッカーができてうれしいと思うのか。特に連戦ではその差が大きく響く。