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今週、浦和レッズが見事にアジア・チャンピオンズリーグを制して世界への切符をつかんだ。今月はもう一つ大事な戦いがある。北京五輪出場を懸けたアジア最終予選、U-22(22歳以下)日本代表が挑む11月17日と21日(2007年)の2連戦だ。
元気がないとか、おとなしいといわれているU-22代表について、チーム関係者からも心配する声が伝わってくる。心の底から五輪に出たいという熱い気持ちが足りないと。
もちろん彼らにも欲はあるだろう。「五輪に出たくないのか」と聞かれれば、「出たい」と答えるに決まっている。海外でプレーしたいという選手には、アテネでの大久保嘉人のように、欧州のスカウトが集まる五輪でアピールしたいという思いもあるはず。
だけど、それだけでは足りない。彼らに自覚してほしいのは、自分たちの肩にJリーグの人気、日本サッカー界の未来が懸かっているということだ。
日本のサッカーはワールドカップ(W杯)と五輪を中心に回っている。みんなが一喜一憂する予選を突破すれば、本大会で新たなスターが出てくるかという注目が集まる。その盛り上がりでJリーグの観客も増えるし、テレビの視聴率も上がる。自分だけじゃなく、リーグ全体の選手の価値を高めることになる。
1996年のアトランタ五輪以降、日本はすべての五輪とW杯の予選を突破している。でも10年頑張ったからもう大丈夫、ということはあり得ない。今の恵まれた環境を守っていくためには20年後も40年後も同じように頑張って、アジアを勝ち抜いて世界へ出ていかなければ。それをずっと続けてきたのがブラジルやイタリアのようなサッカー先進国なんだ。
彼らが任されているのはそれだけ大きな、やりがいのある仕事。自分たち次第でプラスの相乗効果が生まれて、潤う人たちがいる。それを重圧に思う必要はないけれど、責任を感じながら楽しんでほしい。
年齢制限のある五輪は、たいていの選手にとって一度しか出場のチャンスがない。出たくても出られない選手がいるわけだから、プライドを持ってプレーしてほしい。もう40歳の僕も、できることなら五輪予選を戦いたいくらいだ。