BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2007年11月30日(金)掲載

“サッカー人として”
2007年11月30日(金)掲載

サッカー人生は続く

 今週末(2007年12月1日)はJ1最終節だ。残念ながら僕たちはJ2降格が決まっているけれど、相手の浦和レッズは優勝が懸かる大一番。お客さんがたくさん来てくれるのですごく楽しみだ。


 ホームなのに観客席が浦和カラーの真っ赤に染まっても、選手にとってはあまり気にならない。それよりも、最終戦を満員のスタジアムでプレーできることがうれしい。


 僕自身は特別なことはせず、いつも通りの準備をして臨むだけ。調子はいいし、チームの状態も悪くない。リーグ戦ではなかなか勝てていないけれど、いい試合はできるようになってきている。翌週の天皇杯につながるゲームにしたい。


 シーズン途中と違って、この試合は一発勝負みたいなもの。浦和は優勝を決めたいし、僕らは大観衆の前で最後を勝利で飾りたい。向こうは最近、公式戦で白星がないから、「勝たなきゃいけない」と危機感を持ってくれた方がウチとしては戦いやすい。逆に開き直って、「勝てばいいんだろ」と余裕を持たれるとちょっと怖いね。


 浦和戦と天皇杯には、戦力外通告を受けて今季限りでチームを離れる選手も出場するはずだ。20代前半の選手でも契約を切られてしまう厳しい世界。こればかりはクラブが決めることだし、毎年必ずあることだから慣れてもいる。


 天皇杯で勝ち残っていけば試合は続くし、その姿を誰が見ているかわからない。そこでいいプレーをしたことで、ほかのクラブからオファーが来て現役生活が延びた選手だって過去にたくさんいる。


 僕がヴェルディ川崎に在籍した最後の年の天皇杯も、ベンチ入りメンバー16人のほとんど、そして監督も含めてチームを離れる人間ばかりだった。それでもみんな精いっぱい戦ったし、その結果、移籍先を見つけていった。そのまま引退した選手は少ない。


 このチームでのプレーは終わっても、本人のやる気さえあればサッカー人生は続く。僕もそうだったけれど、なぜ戦力外になったのかを考えることが大切だ。クラブだけのせいにしているようでは、この先どこへいってもまたダメになる。自分に何が足りなかったのかをまず考えられる選手が、この世界で残っていけるんだろう。