BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2007年11月02日(金)掲載

“サッカー人として”
2007年11月02日(金)掲載

数字に表れない影響力

 今年の大リーグのワールドシリーズには、日本でも大きな注目が集まった。西武時代の同僚の松坂大輔さんと松井稼頭央さん、それに岡島秀樹さんも出場するということで、僕もテレビ中継を見たり、タクシーの運転手さんに試合経過を聞いたりしていた。


 今年の松坂さんに関して大変だっただろうと思うのは、ファンやメディアの期待の大きさからすると、優勝という結果が最低ラインだったのではないかということ。移籍に伴って1億ドルという大金が動いたことを考えれば、15勝12敗、防御率4点台という成績は本人も周りも満足いくものではなかったはず。もし優勝を逃していれば、厳しい論評をされていただろう。


 実際、現地の報道では辛口の採点がされているようだけれど、それでも投資としては成功だったと言われているらしい。スポーツビジネスの面での影響力も含めて、レッドソックスの価値を高めたという意味だ。


 例えばファンの注目を集める力、報道陣を集める力。日本の新聞で今回ほど大々的にワールドシリーズを取り上げたことはなかったはずだ。それはもちろん岡島さんの力も含めての結果だし、松井さんとの対決という話題性もあった。それらがすべて松坂さんにとってプラスに働いたと思う。グラウンドの外での貢献度も評価の対象になるんだ。


 そしてうれしかったのは、レッドソックスが岡島さんを獲得したとき、44歳の工藤公康さんもリストに入っていたという報道だ。大リーグ入りという工藤さんの目標が実現する可能性が十分あるということだし、実現してほしいと思う。


 優勝を経験している選手を補強するのは大事なこと。工藤さんはもちろん、岡島さんは巨人と日本ハムで日本一を経験しているし、松坂さんも高校時代から多くのタイトルを獲得してきた。数字には表れない「勝ち運」を持った選手の影響力はとても大きい。


 ただ、今年の横浜FCに関してはそれが当てはまらなかったけれど。優勝や日本代表での経験が豊富な選手がそろっていながら、J2降格が決まってしまった。それでも前回も書いたように、僕らに出来ることは残り試合に全力を尽くして戦う以外に何もない。まずは今週末の天皇杯に向けて頑張るよ。