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どうしてJFL(日本サッカーリーグ)にいるの、と不思議に思いもする仲間たちと開幕へ向けて頑張っている。
24歳の2人は東福岡で高校選手権を制した優勝メンバー。1人は当時の主将で、強豪大学でも主力メンバーだった。もう1人は下部リーグとはいえドイツで2年プレーしてもいる。ゴール映像だけみたら代表レベル。
50メートル走が5秒台、誰がどう見ても速い25歳もいる。彼は神戸にいたビジャが開いたトライアウトで約200人から選ばれた2人のうちの1人でもある。彼ら3人が潜在力でJ2の選手に劣るとは思えない。
単純な走る速さや運動能力をテストしたら、日本の選手も欧州の選手もさほど変わらないんじゃないかな。でもことサッカーとなると、ヨーロッパのプレーの方が速くみえる。ボールコントロールが伴わなければ速さは生きず、タイミングを間違えば走りもスムーズさにつながらない。素の能力は同じでも、紙一重のことが重なり、大きな違いになっていく。
同じことはJリーガーとJFLの選手の間にも当てはまる。試合で相手の圧力がかかると力を出せない、判定や展開次第で自分をコントロールできなくなる。大成した人とまだの人の違いで、思い当たるとしたらちょっとしたことくらい。
ただね、Jリーガーはそうした欠点がないのかといえば、そんなことはない。程度の差はあれ、みんなある。「じゃあ何が違うの」といった正解探しより、自分がJFLにいるという現実、それを「正しい答え」として受け止めるべきなんだと思う。僕も含めてね。
「崖っぷち」と見られている僕らだけど、ここからはい上がっていけたら面白いよね。どうやってはい上がるか。選手本人が変わろうとしない限り、現状は絶対に変わらない。自分を生かせないのも、突き詰めれば自分の責任なのだから。
誰よりも自分を信じ、誰よりも自分を疑うこと。
自分のしていることは正しいのか。うまくいっている時ほど、見直すべき部分はないか、これが成長につながるのか、考えを巡らせる。疑えばいいというわけじゃない。自分へ常にクエスチョンを向けること、同時に自分の可能性を誰よりも自分が信じていること。2つで1セットだ。
これからの1試合、1プレーにそうやって向き合えるのなら、それも能力、生きる才能みたいなものだと思う。