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リーグ戦も残り1試合となり、1年を振り返るころを迎えているけれども、僕にはシーズンを送ったという実感がそもそも、ない。
リーグ戦は1試合、残り1分の出場のみ。チームで公式戦の先発が1回もないのは僕ぐらいだろう。降格していくチームの助けになれず、協力もできず、自分を使えばプラスになると監督に思わせることもできなかった。誰に向けてでもなく、自分に対する悔しさと屈辱感、情けなさしかなく、チームのことを振り返る気になれない。その資格もない。
春先にケガを抱えながらの一昨年や昨年とは違い、今年は練習にほぼ皆勤して練習試合にもすべて出た。オーバーワークや詰め込みすぎに気を配りつつ、体幹や持久系などのトレーニングは必要に応じて継続的に織り込む工夫をした。チームの輪の中で毎日走れて、戦えたし、今週こそはチャンスがくると思い続けてやってきた。
けれども練習のために練習しているわけじゃない。そりゃあ精神は鍛えられて我慢強くもなれるけれど、試合という形で報われないなら割に合わない。こうして気持ちが切れていき、選手は一線から身を引こうという心境になるんだろう。
似た境遇の同僚がいる。最終節、2人してベンチに入れなかったら互いに殴り合おうと請け合った。「カズさん、スタッフの胸ぐらつかみたいです」「それはやめろ。殴るなら俺を殴れ。俺もお前を殴るから、互いに痛みを分け合おう」
持っていく場のない、マグマのような思い。とはいえパンチだと歯が折れかねないから、ビンタにしておくことにした。冗談抜きでそれくらい悔しいんだ。
頭と心は来季へと動き出している。今月から1次キャンプを敢行。数えたら今季終了から休みは8日ほどしかない。でもオフの前に一度キャンプをして、1週休んでまたキャンプ、というのが僕のあるべきリズムなので。
悔しさで煮えたぎっているくらいだから、あいにくここでしぼむつもりはさらさらない。どこでプレーするにせよ、2022年の素晴らしい自分へ、次へめがけて駆け出していく。
厳しい現実がある。そんなもの、なにくそと思う。でないとプロなんてやっていられない。年の瀬、僕の顔は腫れているかもしれません。もし歯も欠けていたら、そういうことです。