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Jリーグができて20年。あっという間だったね。
「日本選手は、1部でも2部でも構わないからドイツリーグへ行きたいという。でもドイツと言ったって良いクラブも悪いクラブもある。なぜJリーグより劣るクラブへまで行きたがるのかな」。クロアチア人のミキッチ選手(サンフレッチェ広島)が語っていた。確かにそうだと思う。僕もザグレブでプレーしたけど、クロアチアリーグがJリーグより優れたリーグかといえば、そうじゃない。
思うに、ヨーロッパの人々は日本人が思う以上にドメスティックですよ。英国人は「海外など行かなくても、英国が最高」と自負していたり、イタリア人はパスタが一番で「なんでドイツ人はソーセージばかり食べるんだ」と思っていたりする。それに比べ、日本人は食文化に限らず「受け入れる力」がすごくある。Jリーグもそうやって、良いものを取り入れながら発展してきた。そしてみんなが学んできた。地域に根を張ることの大切さ。同時に、支える企業という存在もクラブ経営には欠かせないという教訓も。
午後4時開始予定の試合が5時から始まる。タイではしょっちゅうらしい。香港では、横浜FC香港が素晴らしい戦いでリードしたら、前半だけで試合が終了。リーグで権力を握る対戦チームが負けそうだったからで、そんな不正はJリーグでは考えられない。アジアにおけるJリーグってどうだろう。プレーレベル、スタジアム環境、安全面……。運営面なんて完璧に近いと思うよ。
これまでの歩みのなかでJリーグは、各クラブを助けてきた。誕生したてのクラブには特に寛大に。でもここからの20年は本当の競争に入っていくのかもしれない。差は広がり、落ちこぼれるクラブも出てくるだろう。
「ドーデスカ、イッパイノンデキマセンカ。オ、カズサンジャナイデスカ」。東京・六本木で大勢の黒人の人々がビラを配っている。20年前は違ったよ。このグローバル化の流れで、外国人枠もなくなって横浜FCは全員韓国人に。なんてね。その一方で、スペインなどでは育成選手を試合で必ず使うべきだとの議論もある。世界の変化をしっかり見ていかなきゃいけない。
変わることには夢もある。J2に昇格したてのV・ファーレン長崎が東京ヴェルディやアジアを制したガンバ大阪より上位にいる。20年前、ヴェルディ川崎が長崎より下にいると予想できましたか?
変化は拒めない。でもそこにしか、発展もない。