BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2013年04月26日(金)掲載

“サッカー人として”
2013年04月26日(金)掲載

嫌な流れをぬぐい去れ

 どうも嫌な感じがする。


 良い形で一年を終えた翌年、一転して低迷。横浜FCは何度かそんな経験をした。2010年に6位と健闘、翌2011年は18位のどん底。昨年は4位、昇格まであと一歩まで詰め寄った。さて翌年の今年。10試合を終えて2勝3分け5敗で18位にいる。始動から手応えがあり、開幕戦も勝ち、出だしは良かったはずだった。予想もしていなかった。


 チームに勢いがないのがベンチからもわかる。勢いの出る時間があっても、最後に押し切られてしまう。一年の戦いには「ここを勝てば上昇気流に乗れる」というポイントがある。3連敗などで苦しみつつもアウェーの京都サンガ戦で勝利をつかみ、臨んだホームのV・ファーレン長崎戦はそうだった。逆転負けした横浜FCは波をつかみ損ねている。


 なぜ。どうすれば。問いかけてみても、自分たちのしてきたことを信じ、ぶれず、きっかけをつかんで勝つ、しかないんだけれど。


 「味方が遠いよ」「縦に急ぎすぎでは」。控室で声が漏れる。奇妙なことに、低迷した2011年に選手が口にしていたのとセリフが同じ。監督もチームも変わったのに。これはもちろん山口素弘監督だけの責任じゃない。監督は選手とはまた違う視点で総合的に解決策を考えているし、それにピッチで表現するのは選手だ。


 僕らは忘れかけているのかもしれないね。昨季後半に4位まで追い上げたときのいい感触。相手をいなす、いい意味での「遊び」を持っていた。いまは遊びの代わりに焦りがあり、DFの背後を早く、早くと狙い過ぎて球を失う。


 監督やコーチは一つ先を目指しているのだと思う。「良かったときの横浜FC」にプラスして。それに応えつつ、もう一度考えるのもアリじゃないかな。去年4位になれたのはなぜか、と。


 僕個人の思いとしては、相手に寄られてもボールを回せるだけの力をチームでつけたい。バルセロナみたいになれ、というわけじゃない。J2のレベルでボールを保持できる特別なチームになら、十分なれると思うから。


 「前線がみんなDFの裏へ動いて離れるから、誰かは引いてきてくれるとつなぎやすい」と話すMFもいるみたい。いるじゃないの、下がってきて球を引き出せるFWなら……。


 それはさておき、2年前の悪い流れを覚えている選手が現チームにも残っている。僕もそう。繰り返したくないし、何をすべきか自分なりに考えてみるよ。