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フットサル界を発展させるために君が必要だ――。強い要請を受け、フットサル日本代表候補に加わることを決めた。サッカー界全体のことを考えた。自分がやれることで協力する。それ以上でもそれ以下でもなく、決めた道を僕は貫く。
J1昇格のかかる大事な時期に横浜FCが「行っていいよ」と手放すことは、カズは要らないと言われたのと一緒じゃないか。否定的な見方もあることなどは分かっている。「いま離れられるのは痛い」と言う山口素弘監督の考えも知っている。僕もクラブも監督も協会も、現場はプラス面もマイナス面も重々承知している。そのうえで悩みながら決断を下していくんだ。
人がやったことのないことをやるのは苦労するよ。でも誰かが新しい道を作り、誰かがその道に乗って続いていく。道が壊れれば、また誰かが作り直す。そうした過程を通らなければ、サッカー日本代表だって現在の姿も発展もなかっただろうから。
自分はサッカー選手だから横浜FCを最優先する。フットサル合宿初日も、集合前に横浜FCで練習してきた。佳境のJ2リーグ戦出場に照準をあて、天皇杯も見据えて僕は調整している。なおかつ、時間の許す限りフットサルに加わりたい。ワールドカップ(W杯)のため、勉強のため、出られるものは両方出たい。
まあ、大変だね。でも決断したのは自分。誰が何と言おうと、自分が好きでやっていることだから自分で責任を取るよ。では責任って何だろう。結果が出なければ「すみません」と謝ること? 「もうフットサルはやりません」とやめること? 違うはず。全力を尽くすことが責任を取ることと僕は思う。勝っても負けても、それをやり続ける。
自分で行きたいと言い張ってブラジルへ渡った。日本に帰ってくるのも、イタリア挑戦もシドニーFCへの短期間の移籍も、全部自分で決めてきた。人生は自分の選択。だからこそ成功や失敗はあってもそこに悔いはないんだ。
決断の価値はすぐには分からない。目に見えた数字で表れずとも、時を隔てて「あの選択があったから」と思えることもある。僕にしかできないことなのなら覚悟を決めて勝負する。もし日本でプレーする場がなくなれば、世界のどこまででもプレーできる場へ行くつもりでやっているわけだからね。フットサルも、やると決めたら責任を果たす。誰が何と言おうと。