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おめでとう。本当に素晴らしい。日本代表が2010年ワールドカップ(W杯)出場を勝ち取った。
はた目にはスムーズになし遂げたように見えるかもしれない。今や予選はさほど難しくないと思う人もいるかもしれない。しかし選手やスタッフの努力、準備、背負ったプレッシャーの大きさは、おそらくほかの誰も分からないだろう。
「出るだけではもう満足できない」との声もあるけれど、僕は選手として、予選の大変さを知っている。2年や4年に一度しか行かない場所に慣れるも何もない。陸続きの欧州や、言葉や文化の近い南米とはまた違う、アジアならではの厳しさ。強い国でも、あのタシケントで戦えば日本と同様に苦戦すると思う。予選突破には15年近く積み重ねた経験と努力が生かされているんだ。
サッカーが生活に深く組み込まれている先進国を、これから本大会で倒して上位を狙うのは大変なことだ。努力しているのは日本だけじゃない。ブラジルが欧州の戦術に学び、欧州は世界中からいい選手を集め、それを手本に自国の若手が育ってくる。チャンス一つをものにするのが上のレベル。
6日(2009年6月6日)のウズベキスタン戦、日本は良くない試合でもわずかなチャンスを決めた。ギリギリの1-0が当たり前の国際試合で、全部パーフェクトな試合などあるわけがない。ああいう戦いを強豪国にもできれば、変わってくる。対戦相手のレベルが高くなれば、つられて日本の力も引き出されるはずだしね。
4度連続でも、予選突破はそのたびに夢の達成なんだ。どの国もW杯を夢見て必死でくる。ブラジルだって4年ごとに国民みなが夢を持って本大会を目指し、出場が決まればさらなる夢をみる。一度出たら薄れるものじゃないし、全大会出場のブラジルですら夢を果たし終えることはない。
そのW杯のピッチに立つ権利が日本でサッカーをする選手全員に与えられた。社会人やJ2の選手、もしかしたら中学生がつかむかもしれない。そんな夢をこれから一年、日本中のみんなが持てる。選手にとってとてもうれしいことだし、ありがたいね。
だから僕もその夢を追っかけて、これからの日々を頑張れる。