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ちょうど昨年の10月下旬、J1第29節に横浜FCのJ2降格が決まった。今年も同じタイミングでコンサドーレ札幌の降格が決まった。2年前の京都サンガも含めて、J2優勝チームはなぜか一年ですぐ降格してしまっている。
今季好調の大分トリニータみたいな例外はあるけれど、J1の順位はクラブの予算に比例する傾向にある。ここ数年の降格チームをみると、3つのうち2つぐらいは規模の小さなところ。クラブ間の格差が徐々に開いているのは確かだ。
J1とJ2では世間の注目度や経営環境に大きな差がある。ただ、昇格すれば単純にクラブ経営が楽になるわけでもない。選手補強に力を入れないといけないし、ハード面にもお金がかかる。その出費増に見合うだけの収入アップが見込めるとは限らないのが現状だ。リーグ側に言わせると、努力が足りないということになるんだろう。でも実態はすごく厳しくて、今の日本経済の状況を考えればなおさら簡単じゃない。
どうやってチーム強化とクラブ経営のバランスをとっていくか。41歳で現役にこだわっている僕が言うのも何だけど、最も大事なのは若手育成だ。ユースの中高生がトップチームを背負う20代半ばになるまで10年以上。それだけ長いスパンでやらなければ。
日本フットボールリーグ(JFL)への降格制が始まったり、J3が創設されたりすると、J2でも長期的な強化をする余裕がなくなるだろう。でも今のJ1のように目先の勝利のため、頻繁に監督を代えるのはいいことじゃない。総理大臣がコロコロ代わると何も成果が出ないのと同じだね。
格差がもっと広がって、本当のビッグクラブが5つくらいできると、欧州のように有望な若手でクラブが潤う構図が出来上がるかもしれない。香川真司君のような選手をビッグクラブに移籍させて、例えば2億円の移籍金を得る。サポーターは怒るだろうけれど、J2でいえばユニホームの胸スポンサーの倍以上の収入になるわけで、クラブ存続のために必要ともいえる。
強いビッグクラブが優勝争いをして、そこを倒すために目の色を変える中堅クラブがあって、若手を供給する下部リーグのクラブがある。そんな格差は悪くないんじゃないかな。