BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2022年04月22日(金)掲載

“サッカー人として”
2022年04月22日(金)掲載

55歳のカラダとは未知の遭遇

 65分、45分、45分、74分。コンスタントに出場を重ねるなかで僕の状態は徐々に上向いている。試合でプレーすることを体が思い出し、なじみだしている。


 でもこの先、体というマシンがどう反応するかは僕も正直、分からない。20代や30代、40代前半であれば「こうすればOK」という答えが思いつくけれど、今の僕にはそうしたマニュアルがない。探り探り、未知なる実験。


 麦茶は体にいいからと麦茶だけにしたら、理想の体重から離れてしまったときがある。人工の甘味料や甘いものの取り過ぎは良くないと専門家から聞き、節制に励んだら、エネルギー切れに似て動きが落ちたり。はたまた「こんなに食べて体重も増えて大丈夫かな」と心配していたら、かえって力が満ちて好調だったり。


 かなり食べて寝て、起きて体重を量ったら就寝時より2キログラム弱も減っていた朝には、自分の体はどうなっているんだと驚いてしまう。代謝がいいのか、異常なのか……。どうも僕の場合はあれはだめ、これもだめと神経質になるときの方が、体としてはうまくいかないみたい。どうしたらいいか正解を教えてほしいです。


 出場時間が短ければ次の日は朝から筋トレで負荷をかける。長くプレーした翌日はピラティスで体をほぐしつつインナーマッスルを整える。調整は一筋縄ではないけれど、くじけはしない。74分プレーした日は終盤もパフォーマンスが落ちる気がしなかった。プレー時間が長ければネガティブ面だけでなくポジティブ面も多く見つかり、フィードバックを積み上げられる。


 チームとしても5試合を経て、やろうとするサッカーが定まってきた。個々の役割が明確になり、その中で僕も「居場所」をつかみつつある。ボールにより関わり、決定的な仕事にも少しずつ近づいている。


 チームの成長に沿いながら個人も成長していく。鈴鹿のスタイルがより強固になるのは夏から秋にかけてと思っている。そのときを僕はどんな状態で迎えられるか。良化しているかも、悪化しているかもしれない。予測はつかない。


 ただ、答えの見えないことを、僕は楽しんでいく。つつがなく55歳のシーズンを過ごすことが「成功」だとも思っていない。J3昇格への貢献のために、鈴鹿にいるわけだからね。