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7万人の動員を目指した先週末の鹿島アントラーズ戦(2007年4月14日)の観客数は2万人弱。目標には及ばなかったけれど、ビラ配りやテレビ出演など、みんなで努力した分だけ意味はあったはず。今回、初めて見に来てくれた人がまたスタジアムに足を運んでくれればいい。ただ、チームが最下位では人気も上がらない。やっぱり勝たなければ。
その試合で僕のJ1での出場がちょうど300試合になった。でもサッカーで数字や記録は過去のもの。大切なのは今だ。300試合、リーグ通算136得点という積み重ねは自分にとって宝物だけれど、それにぶら下がっているわけじゃない。過去を振り返るより明日を見ること、今日頑張ること。80歳になってもその精神でいきたいね。
実際のところ、僕はブラジルでも100試合くらい出場している。それにイタリア、クロアチア、日本リーグやJ2なども合わせると全部で500試合を超えているはずだ。プロ生活22年目、それくらい出ていないとおかしいよね。
それだけ経験を積んだ今と、最初の一歩のころは大違い。サントスでのプロ初戦は緊張して体が動かなかった。しかも現ブラジル代表監督で、当時チームメートだった闘将ドゥンガに試合中にどやされて19歳の僕は余計にびびってしまった。あんなに怒鳴りまくる人だとは知らなかったし。
チームも負けて、翌日の新聞では10点満点で2点をつけられた上に「荷物をまとめてすぐ日本に帰るべきだ」「彼にサントスの11番は重すぎた」と散々な評価。それっきり半年くらい試合に使ってもらえなかった。
チャンスを与えられれば誰でも一生懸命やる。ただ、選手は自分が監督に信頼されていないと思うと、ミーティングで指示されたことしかできなくなるものだ。ベンチの方が気になって、ミスしたら「もうダメだ」と追い込まれていく。サッカーに限った話ではないだろうし、横浜FCの控えの若手もそうかもしれない。
僕はマツバラという田舎のチームへ移籍したら常に90分間使ってもらえるようになった。監督の信頼感が伝わってきたから、思い切った挑戦もできた。若々しく伸び伸びとしたプレーを選手が披露できるのは、監督との強い信頼関係があってこそなんだ。