BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2018年08月03日(金)掲載

“サッカー人として”
2018年08月03日(金)掲載

日本人監督が作る道筋

 選手としても指導者としてもJリーグとともに歩んで育った世代から、日本代表監督が生まれる。森保一氏が日本代表監督になったことは、日本人指導者にとって夢のある話だと思う。


 Jリーグ元年に20歳だった選手が今や45歳。ワールドカップ(W杯)ロシア大会を優勝したフランスのデシャン監督も49歳だから、指導者としていい頃合いだ。そんな元Jリーガーや代表OBの監督はすごく増えている。かつてJ1にいけるなど誰も思わなかった横浜FCを昇格させた高木琢也監督(J1 V・ファーレン長崎)や名波浩監督(J1ジュビロ磐田)、長谷川健太監督(J1 FC東京)。それぞれが色々なところで積み上げている経験はウソをつかないんだろう。


 歴代の日本代表監督でたたかれることなく任期を終えられた人がいただろうか。加茂周さんや岡田武史さんしかり、ジーコやザッケローニもそう。難局に出くわし批判されるのも仕事のうちといえるけど、ここはひとつ森保監督を我慢強く見守ってもらいたい。2020年までは東京五輪男子代表チームを成功させるために力を尽くさなきゃならない一方、フル代表のアジアカップもある。W杯ロシア大会に東京五輪世代は1人もいなかったわけで、五輪代表を軸にアジア王者を目指すには無理がある。


 「4年後を見据えて刷新を」と考えが飛躍する人もいるかもしれないけど、監督交代を機にチームをガラリと変えるとかえってうまくいかないこともある。まだ当面は現状のメンバーがベースだろうね。結果を出しつつ変えていく作業は、少しずつ進めるのが穏当なんだ。


 僕の“森保像”は昔から変わらないというか。派手さとは対極、ずっと今のままの感じ。髪形も「ドーハの悲劇」のころから変わっていない気がするし。でも日本人らしく細部にまで目が届き、観察眼も鋭いと思いますよ。あんなに穏やかそうな顔をしているけど。


 育成世代の監督がフル代表監督でもあるのだから、若手は意気に感じているはず。J2レノファ山口FCからJ1ガンバ大阪に加入した小野瀬康介選手なんかも、ひと活躍すれば代表入りの芽も出る。そうなれば横浜FCの下部組織育ちで代表選出第1号。クラブも夢と誇りを持てるよ。下は久保建英選手たち17歳から、上は51歳までチェックするのだから大変だけどね。


 夢は続いていくという、いい道筋を森保監督につけてもらいたいですね。