BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2007年02月09日(金)掲載

“サッカー人として”
2007年02月09日(金)掲載

「遊び心」追い求め

 先週末までのシドニーキャンプでは素晴らしい環境で順調にトレーニングを積めた。昨年末に痛めた右ヒザの不安もあったけれど、2度の練習試合にも出場できた。


 その試合では昨年までの2トップではなくFW一人の布陣で、僕のポジションは中盤だった。ただ、システムというのは監督が考えることで、僕にはあまり興味がない。FWであろうとMFであろうと、要はサッカーをやるだけ。攻めて守って走って、というのは同じなんだから。


 開幕から数試合で結果が出せるかどうか、それがその後の戦いにも大きく影響する。その大事な序盤、横浜FCは強豪との対戦が続く。特に初戦の相手は王者・浦和レッズ。劣勢を強いられることになるだろう。そんな中でもリラックスして、遊び心を持って戦いたい。


 「遊び心」といっても、もちろんふざけるという意味じゃない。股(また)抜きやリフティングを披露することとも違って、もっと感覚的なもの。今まで僕が「楽しむ」と表現してきたものと同じで、100%真剣にプレーする中で余裕を持って、自分のリズムで戦うというイメージだ。


 それがあれば豊富なアイデアも浮かんでくるし、良い間合いでプレーできる。相手に脅威を与えることにもなる。マラソンでライバルと並走しているとき、相手の息が乱れていなかったら嫌だよね。競り負けてしまうのかなって。それと同じで、相手のプレーや表情から余裕を感じたら精神的な重圧になる。


 圧倒的に押されて守備に駆けずり回る試合もあるかもしれないけれど、そんな中でも遊び心は持っていたい。「抜けるものなら抜いてみろよ」という威圧感を漂わせていたら、相手は「ボールを取られちゃうかな」という気がしてくるものなんだ。ドリブルで右、左と揺さぶってきても慌てず、自然に体が反応して足が出る。それが理想だ。


 こうして言葉に表してみても、形のないものを伝えるのは難しい。だから、僕のプレーを見て遊び心を感じてほしい。もし感じられなかったら、僕が表現できなかったということ。試合後に「今日は楽しそうだったね」と言ってもらえたらすごくうれしいし、そんな試合をたくさん見せたい。