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25年ぶりに広島カープがリーグ優勝した日の広島地区平均視聴率は60%にもなったという。Jリーグでサンフレッチェ広島が優勝しても、ここまでの扱いにはならないんだろうね。
Jリーグの歴代優勝チームはどこでしょう。世間の人々は答えられないかも。サッカー界の人間ですら「どこだっけな」と一瞬、考えてしまうことがある。シーズン大詰めになればもっと盛り上がるかなと期待するんだけど、なかなか。
リーグ元年のころ、ヴェルディ川崎はひいきもアンチも巻き込む圧倒的な強さと注目度があった。あれから監督になった人、サッカー協会で要職を担う人、解説者で定着した人、サッカーとは別の道で花開いちゃった人。さまざまだけれども、今も皆さんに名前を覚えられていて、自分の名前で食べられている。
スペインのバルセロナやレアル、ドイツならバイエルン。優勝してばかりでつまらないかもしれないけど、そんな存在があるから盛り上がる。ネームバリューも圧倒的だからお金を投じる人も出てくる。強さも知名度も断トツ、そうしたビッグクラブが日本にもできないとダメかなと思うんだ。リーグを潤すお金は水と同じ。上から下に流れても、下から上には流れにくい。下を平等に潤すだけだと繁栄していかないのでは。
プロ野球には「球団の戦力を均等化してリーグ全体を盛り上げるべし」という意見があるのを本で読んだ。野球文化の根付く日本では、スポーツ界の発想もそちらが主流かもね。横浜フリューゲルスを消滅させてしまったトラウマがJリーグにはあって、みんなを潰さず守るという前提でここまできた。でもそろそろ突出した実力と知名度のクラブを作る時期では。それもアジアの人々にも名前をすぐ連想してもらえるくらいビッグなやつを。これだけグローバル化しているのだから、アジアの盟主を国策で作るくらいの勢いでいい。
外交にも一役買えるよ。欧州では首脳が集まればサッカーが共通の話題の種になる。アジアを代表するクラブを持てば会談の場も和む。友好事業の橋渡しもできるだろう。コミュニケーションツールとしてもビッグクラブの効用は侮れないんだ。
注目は人も伸ばす。僕もそうだったけど、目をかけられる環境に置かれると意識が変わって、選手は成長しちゃう。スターは自分以外の人に育てられるもので、見られている意識によって選手は変わっていく。注目されないスターは、スターじゃない。自分の家の鏡の前で踊っていても、ビッグにはなれない。一度自宅でされてみれば分かります。Jリーグが自宅の鏡の前で踊るスターにならないように。