BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2014年08月22日(金)掲載

“サッカー人として”
2014年08月22日(金)掲載

求む「フィロソフィー」

 日本協会で代表強化に携わる霜田正浩氏とはもう30年近い付き合いになる。ブラジルの地で一緒に留学生チームを結成して戦い、サントスの海辺で将来や夢を語り合ったものだった。


 6年近く協会の現場で奔走してきた霜田氏はいま、代表OBを含めたいろんな人の力で代表を強くすべきだと考えている。外からみると代表はどう映るのか。何が足りないのか、良いのか。「だからカズにも意見を求めたい。現役に意見役をお願いするのは失礼だ、なんて小さいことにはこだわらない」という。


 「僕だけでなく、様々な人に聞くといいんじゃないかな」と僕は答えた。どの時代もマスコミの的になった選手がいる。ヒデ(中田英寿氏)やシュンスケ(中村俊輔選手)に歴代の主将、最近なら本田圭佑選手に香川真司選手。称賛され、たたかれ、代表の重みを人一倍背負い、痛みを引き受けてきた。代表がさらされるプレッシャー、メンタル状態、必要なキャプテンシーとは。彼らだから察することができるというか。


 みんながアギーレ新代表監督に「どんなサッカーをしたいのか」と質問する。その問いは日本協会へと向けるべきものだ。どんなサッカーで世界に挑み、何を伝えたいのか。フィロソフィーがなければならないのは協会だから。監督でクラブは変わる。でも「監督が替わったらすべてが変わりました」というクラブはもろい。協会も同じ。日本サッカーのフィロソフィーはまだ見えにくいからね。


 いまの選手たちは「疑問に思う感覚」を失っているのかな。例えばスポンサーとバーベキューをしろと言われれば言われるままにする。「プロの俺はやらない」という声はあってもいい。しないのが正しいわけではないよ。でもプロがビールつぎまでするべきか、クラブは絶対に正しいのか。僕は何事も、疑問を出発点にして自分で考えてきた。


 J3の22歳以下選抜チームのメンバーに選出されると、所属クラブがその若手の交通費を負担する。それすら僕は納得しかねる。経験を積ませるとの趣旨はわかる。でもプロの公式戦なら持ち出しどころか、わずかでも勝利給をはずむのが本来の姿。異議は唱えていいと思うけど。


 と、意見を述べさせていただきつつ、「アドバイザー」であるならたまで構わないので代表のベンチにも座らせてもらいたいな、と。これはもちろん、ふざけた僕の私見であります。