BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2013年12月06日(金)掲載

“サッカー人として”
2013年12月06日(金)掲載

プロは己に問いかける

 サッカーは自分だけではコントロールできないものだ。ピッチには相手がいて、状況があり、運にも左右される。僕がどんなに調子良くても、誰かのミスでチームプレーが悪くなりもする。当然、ダメな自分が周囲のリズムに助けられるときも。その先に勝敗がある。


 では自分がコントロールできるものは。どのくらい集中して毎日練習できたか? どれだけいい準備で日々に臨めたか? そこもちゃんとみていたい。それができていたら、成績以外のところで「いい年だったな」と思えることもあるだろう。


 2013年、ケガも休むこともなく。毎日がマッサージから始まり、体幹トレーニングを経て練習に入る。練習後は自分で間借りした自家製ジムで初動負荷など補強トレーニング。先発は14試合で去年より増え、自分なりに良い部分を出せた。「働けたな」との実感はある。チームは11位に終わり、力不足で、物足りない。ただし物足りなさはいつも胸に感じておくべきもの。常に自らに問いかける自分でいたい。


 毎日元気だね、変わらないねと今年も言われた。ただし、“変えてきたので、変わらないでいられる”ともいえる。20代はきつい練習で調子を上げられたとして、同じことを30代にやると、疲れがぬけず逆効果になる。そこでダッシュなら100本を30本に抑え、その分走りの密度や効率を求めると、体と感覚の帳尻が合ってくる。この30本に減らすことは後退に似て、選手は怖く感じるものだけどね。


 反面、がむしゃらに100本走った時代のある人間でないと、30~40代になって強度の高いことをしようとしても無理。ずっと「30本の人」は、施しようがなく辞めていく。100人すべてをプロにはできないからこそ、プロ。選手全員が全員、プロとして20年生き残るのは難しいともいえる。きついことをやるには、早ければ早いほどいいよ。朝方から心拍数190で走り、やり過ぎたなと悔やむときも若い頃にはあったけど、練習は無駄にはなっていない。来季も1月3日からハードに始動します。


 しかし体にせよ何にせよ、メンテナンスにはお金がかかるね。サッカーばかりやっていても成長しないから、銀座のお姉さんにお世話になるけれど、そこでもお金がかかるしさ。ともあれ人間ドックも異常なし。ここで2月にお会いするとき、皆様もお変わりなく。