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年明けにグアムで自主トレをするようになって今年で10周年を迎えました。体の変化を感じ、何かを変えねばと新しさを取り入れたのが37歳になる手前。専門フィジカルコーチやトレーナーを交えてチームを結成、体幹や瞬発力、サッカーの動きをより機能的に高めるメニューを組んだ。「あと3年、こんな濃密なキャンプをやりたいね」。みんなで話したのを覚えている。
同じ顔ぶれのまま、みんな10歳、年を重ねた。「もう10年か。コンドミニアムを購入した方が安上がりだったよね」と笑いつつ、コーチもトレーナーも調理師もそれぞれの立場で最善の方法を考えてくれる。各自のプロ意識あってこそ成り立つ質。厳しくも家族で過ごすように10日間が過ぎる。
10年間、変えるところは変えながら。毎日早朝から3回の練習を課した年もあれば、ゴルフを取り入れたことも。ただしこのリフレッシュ方法は2回で打ち切りになりました。近年は疲れをためぬよう、負荷を上げては下げ、メリハリの波を大きくしている。去年はフットサルを控えていたから機敏性向上を優先して、すべきことも「飛ばし飛ばし」で仕上げていた。2013年はどんな体を作るか。僕がリクエストしたレシピは「じっくりで」。
始動の1月3日から1カ月、何種類もの刺激を時間をかけて体に染み込ませる。有酸素運動の刺激、筋トレの刺激、チームでの練習による刺激。筋肉を壊し、太く作り直すことを繰り返す。横浜FCも宮古島の1次キャンプからじっくり、じっくり。それでいて確実に練習の強度を上げ、走りきる軍団をつくろうとする。
じっくり仕上げる下準備として、今年のオフもほぼ休みなし。旅先のマンチェスターだろうがローマだろうが、どこでも全力。マンチェスターでジムに通い、ローマで毎朝筋トレをして筋肉痛に。できなかった泳ぎも覚えたよ。マンチェスターのホテルで45歳にしてクロールに開眼してね。足に負担をかけず体をほぐすにはちょうどいい。
準備は、あくまでただの準備でしかなく、シーズンでの成功を約束しない。それでもできることはすべてする。習慣と工夫、継続と刷新。パソコンと同じで何事もバージョンアップしていかないとね。僕も、これを読んでいるみなさんも。