BOA SORTE KAZU

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BOA SORTE KAZU

“サッカー人として”  2006年08月25日(金)掲載

“サッカー人として”
2006年08月25日(金)掲載

控え組でも焦らない

 海やお祭りと同じように、高校野球は夏の風物詩という感じがする。僕が小学生の時には原辰徳選手(現巨人監督)、中学生の時は工藤公康投手(現巨人)が活躍していて、テレビ中継を興奮しながら見たものだ。


 今大会で優勝した早実の斎藤佑樹投手はあの暑さの中で連日、100球以上を投げていた。あんなに投げて肩は大丈夫なのかと心配になったほど。再試合になった決勝で仮に負けていても、あの頑張りに誰も文句は言えなかったはず。


 僕は若いころ、真夏の試合があまり好きじゃなかった。涼しい方が体も動くし、いいプレーができると思ったから。そういう固定観念を持っていた。今は夏の試合でも気にせずプレーできる。


 夏バテしないために気をつけているのは、よく遊びよく寝ること。それが僕のモットーだから。体にいいといわれるものを食べたりもするけれど、最近よく食べているのは好物の雑煮。季節にかかわらず、自分が食べたいものを食べるのがいい。


 選手にとって、この時期はコンディション調整が難しい。どんなに補充してもどんどんエネルギーを消費してしまうし、練習しすぎると疲労がたまりやすい。一番いいのは、実は試合に出続けること。連戦で疲れはするけれど、それは心地いい疲れだ。逆に試合に出ないと調子が上がっていかない。


 ここ数試合、先発から外れてベンチスタートが続いている。選手としてグラウンドの中で自分を表現したいし、正直に言って、出番がなくて気分がいいわけがない。ただし、自分の中に焦りはまったくない。チーム内の競争は必要なこと。無理なく、今まで通り普通にやっていくつもりだ。


 以前は実戦から遠ざかると試合勘が鈍ってしまったけれど、今は1カ月くらい試合に出ていなくても大丈夫。チームで練習さえしっかりやっていれば、試合で体も動くし問題なくプレーできる。


 チームはしっかり昇格争いに絡んでいる。雰囲気もいい。でもこの先、J1昇格を意識して硬くなってしまうかもしれない。そのあたりをコントロールするのも僕らベテランの仕事。何とか最後まで粘っていきたい。