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8月4日(2007年)のオールスター戦にファン投票で選んでもらい、出場できることになった。僕への票数は東軍でトップの約34万4000票。プロ野球のオールスター投票だとケタが一つ違うところだけれど、それでもたくさんの人が自分に興味を持ってくれていることに心から感謝している。サポーターが選ぶベストイレブン、一番見たいと思う選手の中に自分がいることは選手冥利(みょうり)に尽きる。
J2からJ1に戻ってきた今季はアウェーでも拍手を送ってもらうことが多くて、これほどファンの声援のありがたみや重みを感じられる年はない。1票を投じてくれた人たちは僕にMVPを取ってもらいたいだろうし、ゴールが見たい、カズダンスも見たいと思ってくれているはず。その期待に応えられるように、心身ともにいいコンディションで試合に臨みたい。
互いの長所をつぶし合う現代サッカーの中でオールスターは良い面を出し合う戦いで、それほど戦術に縛られることもない。なぜ自分が選ばれたのかを考えながら、好きなプレーやファンが見たいものを見せることが大事。ただ、何か特別なプレーをするわけじゃない。リーグ戦も日本代表戦もオールスター戦も変わりなく、一つの真剣勝負として同じように準備をする。
お祭りでも全力を尽くすのかと聞いてくる人がいるけれど、そんな質問自体がおかしい。もし必死になりづらい雰囲気があるとすれば、それは日本の悪いところ。試合前の空気がリラックスしているからといって、変なプレーをしていいとは思わない。遊びではなく、最高のプレーを披露するのがオールスターという舞台だから。
試合も練習も遊びのフットサルでも、僕は常に全力でやる。勝てば喜ぶし、誰かがおかしなミスをすれば怒る。そうしなければ面白くないし、負けたくないから。それはサッカーに限ったことではなくて、仲の良い友達に卓球で負けたら口を利かないくらいだ。
オールスターで頑張りすぎてケガをしては元も子もないという人もいる。でもケガは選手の宿命だし、そこで故障するようならそのレベルということ。だからこそ気を抜かず、しっかりと準備を怠らないことが大事なんだ。