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先週水曜日(2006年9月27日)、4位ベガルタ仙台との勝負どころの一戦は久々に面白い試合をみせられた。勝てば昇格に向けて優位に立てる、向こうは絶対に負けられないという緊張感の中で、こっちの気合が上回った。試合内容も良かったし、会場が国立競技場だったこともうれしいね。
僕が交代で退いたとき、観客席からものすごい拍手をもらった。中には立ち上がって拍手してくれた人もいて、単にご苦労さん、というだけじゃない何かを感じた。ありがたいことだし、すごく励みになる。
このチームにとって初めての首位という立場。でも今はできるだけ順位を気にせず、次の相手のことだけを考えたい。残り8試合、ここから先は我慢比べだ。大切なのは連敗をしないこと。どれだけ勝負にこだわってクールに我慢強く戦えるかがカギを握る。
J2(2部)は48試合の長丁場で徐々に疲れもたまってくるけれど、勝っていれば苦にならない。充実感が疲労感を上回る。勝利ボーナスももらえるし、生活が良くなって明日への希望も膨らむ。逆に負けが続くと絶望的な気分になるし、生活もセコくなっていく。プロってそういうものなんだ。
ブラジルにいた19歳のころ、週に2試合を2カ月こなし続ける地方の大会に出場したことがある。所属していたのは田舎のチームだったから、どこへ行くにも移動はバス。24時間かけて試合会場に向かったり、試合終了後にスタジアムの下の仮設ベッドみたいなところで寝て、そこから次の試合会場に向かったり。
バスの中ではずっとビデオを流していて、行きはハリウッド映画なのに、帰りはなぜか決まってポルノ映画。それを24時間、延々と見せられながら帰る。未成年の僕にはちょっと刺激が強かったな。
グラウンドもひどくて、端に雑草が生えている程度で真ん中はカチカチの土。でもそんな環境でも、誰も文句なんて言わない。僕もサントスで出番がなくて移籍したばかりだったから、試合に出られればそれでよかった。
ハードだといわれるJ2も、それを考えたら楽なくらいだ。結局その大会は優勝できたし、いい経験になった。ただ、今もう一度出場しろと言われたら、それはちょっと……。